ヘルパーだいち日記 final

 最後のヘルパーだいち日記になります。まとまりのない文章になるかとは思いますが、暖かい目でお願いいたします。
「心動く島」....小笠原観光局さんのポスター、動画等でキャッチフレーズ的な感じで使われている1フレーズです。僕はヘルパーをさせて頂き、島に滞在した期間、まさに心が動きました。いや、動かされました。

行きの9月13日発のおが丸。楽しみだけど不安だった。

島に着いて、その日の午後、先輩ヘルパーさんと新ヘルパー3人で行った大神山神社、展望台。このときヘルパーふみふみと階段を全力で登る競争をした。

小笠原にはご存知の通り島の至る所に戦跡が残っています。僕はトーチカや巨大な地下壕、墜落したムスタング、砲台、たくさんの戦跡を見て本当に何十年の昔に戦争があったんだなと実感しました。そして島には戦時中のことを知る島民の方、岩や建物に残る縦断の後、そう遠くはない時代だと感じました。ムスタングの飛行機の残骸を見ると、これに乗っていた米軍の方にも家族を置いて遠い戦地まで飛んできていたかもしれない。とおもいました。島に来て1航海たったころ光通信に行くユース号のなかでみなこさんが「だいちくらいの若い兵隊さんもいたんじゃないかな」。僕は16、17で戦争に行くことは想像もつきませんでした。何の罪もない人、若くして特別攻撃で無くなった方、兄弟や家族を置いて戦地まで行った方、若くして亡くなったり、大変な時代を生きておられたんだとおもいました。そんな時代が父島にもある。僕が日々楽しんでいる島も昔は悲しい歴史がある。そこに僕はいる。複雑でいたたまれない気持ちになりました。

島民てっしーさんに連れて行ってもらったムスタングの残骸、地下壕の入り口

そして海との出会いです。最初のドルフィンスイムは先輩ヘルパーのっぽさんに誘って行ったケータ列島ツアーでした。その他、釣浜、製氷海岸、船から、ウミガメさんにも会うことができました。ハートロックの真ん前で１００頭以上のハシナガイルカに出会い、ミナミハンドウイルカとも泳ぎ、スコールに降られ、寒いなと思ったら、今まで見たことがないくらいの大きな大きな虹がかかりました。僕はもともと自然環境について学びたいと思っていたのですが、海洋生物にも強く惹かれました。あるガイドさんのホームページに載っていて、みんながハシナガと泳いでいる間、ぼくは船から見ていたときに言われた言葉。「海は時に人に魔法をかけます、時には人生にも」僕も魔法にかかりました(笑)

南島に上陸し、扇池の砂浜を歩いていると、アオウミガメの赤ちゃんの干からびた死体が、、、。ガイドさんのよると、ふ化したけど海にたどり着けなかった子だろうということでした。かわいそうとおもいました。しかし、これは自然界の絶妙な生態系の一つなんだなと思いました。ぼくの目の前にある光景は自然の流れの動物の営みの一場面だと思いました。(すみません、うまく言葉が出てきません)

そして滞在中には台風19号、21号が通過しました。21号は父島に甚大な被害を及ぼしました。改めて自然の脅威を感じました。晴れですごく天気が良く、絶景が見られる時もある一方、台風が猛威を振るう時もある。そういったことも全部ふくめて小笠原の自然というものを感じました。

そしてヘルパーさん、ホステラーさん、ひとしさん、みなこさん、しゅんさん本当にお世話になりました。お恥ずかしい話ですが、僕自身、2年前中学校を卒業し、今高校生なのですが今まで親元を離れて何かするということはなかったです。ユースに来て、不安なこと、慣れないことがありさみしくなったことがありました。そんなとき先輩ヘルパーが「大丈夫だから」など励ましてくれたり、仕事のアドバイスだったり、いけちゃんが深夜まで僕のめんどくさい話を聞いてくれたりしてくれました。僕がミスしたり、要領が悪かったりした時「だいちぃーー」と呼び僕に「なんで私がこういうこといってるか分かる？」「こうしたら早くできない、ちゃんと次の人のこと考えてる？」と時には厳しくちゃんと意味を踏まえて接してくれて本当にありがとうございました。そして本当にたくさんのホステラーさんとお会いすることができました。いろんな職業の方、趣味を持ってる方、いろんなところを旅されている方。ぼくにはいろんな話がすべて新鮮で衝撃を受けました。ホステラーさんも僕の進路相談にのって下さる方、若いからなんでもできるよと言って下さる方、たくさんの方ありがとうございました。普段こんなに大人の方と話せる機会はないので、本当に自分の世界、興味、がうんと広がりました。ヘルパーさんホステラーさんと見にいった星空、海、あれは一生忘れないだろうと思います。そういったことでがんばることができました。僕は食材の切り方、その他色んな事が上手くできなかったことががありました。ニコニコ切り、ななめ、なななめ切り、めんつゆ計算。ひとしさんの話にも上手くツッコめなくてすみませんでした(笑)。関西人でしょと言われましたが、ツッコミ苦手です。7月に宿泊させていただき、みなこさんのアオウミガメの歌を聞き感動して、また「また帰って来てね」と見送って頂きました。いつもみなこさんの歌にしみじみ感動しました。いつもやさしく話して下さりありがとうございました。いつも「だいちぃーー」と呼んでくれて、さかな捌いたり、相撲の大会、青灯飛び込みほんとにかっこよかったです。しゅんさんありがとうございました。そしていつも元気でユースのアイドルはるとくん。見ていて元気をもらいました。おかしどうぞってしたとき「ありがとー」っていってくれてうれしかったよ。
僕も新幹線が好きで、「こまちはやぶされんけつ～」ぼくもあれめっちゃ好きだよ(笑)

今回の滞在や前回の小笠原の旅を振り返っても(あたりまえですが)たくさんの人がいてくれて実現できていると改めて感じました。寝ている間や海況悪化のなかでも安全におが丸を走らせてくれる小笠原海運の方、台風で大変のなか、お疲れさまでした、ありがとうございました。自分が出ていくときに心配しながら待っていてくれる家族がいる、道中でも困っている時に助けてくれる人がいる、目的地に着くと暖かく迎えてくれる人がいる、着いた先でやさしく接してくれる人がいる、そして行きたいと思ったところにいける環境に生かされていることに感謝します。たくさんのありがとうです。

たくさんの方のお陰でヘルパーをさせて頂くことができました。本当の生きた勉強になりました。こがじーに言われた言葉「ここで今会うことができたことは偶然じゃなくて必然なんだよ」これはひとしさんも言われているそうです。僕も人との出会いを大切にしていこうと思いました。来年受験等あり次来られるのが、数年後になると思いますが、必ずまた帰って来ます。本当に感謝しかありません。



では僕も
行って来ます！！

以上、ヘルパー大地でした。